ケーススタディからサーバ仮想化のプロセスを学ぼう!
サーバ仮想化について検討する企業は多いが、実際に導入した際のメリットやそのフローについては不明な点も多い。今回は、サーバ仮想化にあたって企業がどのようなプロセスを踏むのか、具体的な順序を紹介しよう。
仮想化導入に至る過程には、どんなことが起きる?
導入に至る過程を6段階に分けて、順に見ていこう。
1. 始まりはサーバのクラッシュ
ビジネスに必要不可欠な顧客管理システム用に使用しているサーバが、ある日突然クラッシュ。早急な復旧を必要としたが、完全に復旧させるまでに実に4日間を要した。
2. 仮想化に対するメンバーの抵抗と脱却
チームマネージャーは、突然のダウン等の問題を解決するためサーバ仮想化を提案。しかしメンバーから「確実に稼働するか不安だ」等の反発を受けた。そこで、マネージャーは「実際に稼働させて説得しよう」と決意し、テスト基盤作成へと駒を進めた。
3. テスト版の安定を機に詳細な計画を練る
テスト版システムが安定・良好に稼働したことで計画はさらに進行。次いで、アプリケーション移行時の負担等を知るため、サーバとアプリケーションの連携、サーバへの負荷や使用率について詳細に調査した。
4. ソフトウェアが確実に稼働する基盤を探す
次に彼らは、彼らが作成した仮想ソフトウェアと互換性があること・転送に必要なアクセス速度が確実に確保できることなどを条件にして、仮想化サーバを実行する基盤について調べ始めた。結果、1つの仮想サーバにたどり着いた。
5. 稼働に向けて物資を注文し環境構築を開始
該当した仮想サーバ含めた稼働環境の整備のため、メモリ・物理サーバ・アプリケーション等ハードウェア・ソフトウェアの構築を開始した。いくつかの困難があったものの、組み立て・インストール等の構築・移行・展開作業を経て、ついに環境は整備された。
6. 完全に移行するまでとその後
購入から5カ月後、ついに仮想サーバを導入。安定テストに1月半、手作業にてのアプリケーション等の全移行に3カ月等時間はかかったが作業は完了。その後チーム全員、仮想サーバによる「稼働の安定・リソース量増加による効率化」などの快適さを実感した。
仮想化導入においては、「ソフトウェアとの互換性」・「確実なアクセス速度」・「アプリケーションを動かすためのメモリ容量」・「物理サーバの容量」などを見ておく必要がある。リソース量を増加し、効率化につなげるためにもこれらの点はしっかりチェックしておきたい。
今回紹介したケースでは、最初こそ「サーバ仮想化」について乗り気ではなかったものの、構築して稼働した結果、大きな満足を得ている。そう、仮想サーバは、物理サーバダウンの復旧時・アプリケーション作動時などあらゆるシーンでスマートな働きを行い、エンジニアをサポートするのだ。導入がまだであれば、ぜひ検討してもらいたい。
参考:
Matt Prigge氏:The virtual virtualization case study
http://www.infoworld.com/d/virtualization/virtual-virtualization-case-study-934
エースラッシュ氏:これだけは押さえておきたい! 中堅・中小企業 仮想化サーバ導入の勘所
http://news.mynavi.jp/series/virtualization/002/