DX時代におけるN&Iシステムズの取り組み②-DXエンジニアリングサービス
はじめに
当社(株式会社エヌ・アンド・アイ・システムズ:以下N&I)では、DX(デジタルトランスフォーメーション)時代に対応したサービス展開を行うため、現下において下記4つの施策を実施しています。
① DXインテグレーションセンター™の開設
② DXエンジニアリングサービスの立ち上げ
③ DXエンジニア社内認定制度の創設
④ DXオンラインサロンの開設
本コラムでは、上記②についてお話をしたいと思います。
DXを取り巻く技術者の現状
DX化を推進する動きは各方面で活発化しているのにもかかわらず、その担い手については、不足の状況と言わざるをえません。これは、1980年代に言われたIT人材不足(2000年までに97万人の不足)を髣髴とさせるものです。AIに特化したエンジニアだけに着目しても2018年に3万人、2030年には17万人が不足すると言われています(※1)。
こういった人材の物理的な数に加え、その中身(スキル)の面でも問題を抱えています。DX開発要員、特にPythonプログラマについては、超上流(コンサル)レベルの要員と初心者(教科書やセミナー程度の知識)レベルの要員の2極化の状況であり、ビジネスを中心的にドライブする中間層(いわゆる経験者)が欠如した状況にあります。
※1 出典:AIエンジニア研究会,『図解即戦力 AIエンジニアの実務と知識がこれ1冊でしっかりわかる教科書』,技術評論社,2021
DXに関する人材アプローチ:まずは裾野を!
DX、特にデータ分析の分野において、その作業の比重を考えますと、分析そのものに対しデータ収集/加工の前工程がおよそ1対4の割合になると言われています。要員の頭数でも、データ分析を行う要員に対して、データの前処理を行う要員が多く必要で、その不足が企業のDX化(データ利活用の実現)を妨げている原因の一つとなっています。
また、初心者が多いDX人材の現状からしても、一足飛びにデータ分析が行える状況にはなく、データ前処理等の作業を通じて、徐々にデータ分析力を醸成していくしかありません。
この2つの観点から、まずは「データ前処理等」の現場に通用する要員を増やしていく(教育していく)アプローチ、いわばDX開発の裾野を形作るべきだという考えに至りました。
DX時代に対応したエンジニアリングサービスの企画・提供
上記の考え方に立って、ある程度技術知見をもった要員(AI系の大卒・専門卒者、DXへのシフトを望んでいる既存開発要員または実務からDX開発に携わろうと考えている要員)に教育をして、ビジネスを推進する枠組みを企画いたしました。
要員形成の具体策としては、下記3つのアプローチ(=モデル)を考えております。
a) 新卒モデル
大学のAI専門学科やAI関連専門学校の新卒者を対象に、「DXの実務に必要な知識」を教育して、DXエンジニアとして活躍いただくモデルです。(このモデルは、2020年度より実施しており、2021年4月は第2回目の受入れを予定しております。)
b) レガシーITコンバートモデル
Web開発(特にJAVAプログラマ)の経験者を対象に「DXに関する基礎知識」(Python等を使ったデータエンジニアリング/DE・統計学等のデータサイエンス/DS) を教育して、DXエンジニアとして活躍いただくモデルです。(このモデルは2021年度第1回を実施予定です。)
c) 異業種コンバートモデル
DX-ITについては、業種/業態に特化した専門的な知識が必要となります。そのため、IT業界以外で実務経験を積まれた方を対象に「DXに関する基礎知識」を教育して、DXエンジニアとして活躍いただくモデルです。(このモデルも2021年度第1回を実施予定です。)
なお、DX時代の開発を担う要員として「DXインテグレータ™養成」という名目の元、弊社の企業内大学であるNIアカデミーと連携して、「社内資格認定制度」を創設いたしました。基礎教育からOJT(実践活動)のフォローおよび試験・評価・認定といったトータルな仕組みとなります。(「社内資格認定制度」については、次回解説いたします。)
最後に
N&Iでは、「DXエンジニアリングサービス」という形で、DXへの変革に自身の存続をかけて邁進されている企業様に対しまして、DXビジネスのご支援をさせていただきたいと考えております。
DXインテグレーションセンター™ 副センター長
佐藤 桂