クラウド革命 ~ 徒然なるままに ~(2) クラウドとは何か?その意味を考えてみる ②
N&Iシステムズ マーケティング担当の内藤です。
今回は前回に引き続き、「クラウド」とは何を意味するのか?を考えてみたいと思います。
まず、NISTの定義による5つの重要な特徴です。
1) オンデマンド・セルフサービス
今までは、ユーザーの担当者がメーカーもしくは販社の営業に連絡して「これこれが欲しい。納期はどれくらい?」と連絡して、納期確認後、発注、それから1~2ヶ月後に納品されてそこから設置作業。インフラ準備完了まで2~3ヶ月かかるのが一般的でした。当然発注時に構成他をミスしたら返品も即時の交換も出来ません。
それに対し、インフラが欲しいときにユーザー自身がウェブ画面から注文手続きをすれば、インフラがすぐに利用可能になる。構成変更も自由自在。これができるのが「クラウド」ということになります。自社内の仮想化システムや、旧来のホスティングサーバーではこうはいきませんね。
2) 幅広いネットワークアクセス
パソコンからだけではなく、様々なデバイス(スマホなど)から利用できること。正規ユーザーであれば、インターネットにつながってさえすれば、いつでもどこでも利用できることが重要なポイントです。
3) リソースの共有
複数のユーザーでコンピューティング資源を共有すること。これで「コスト低減」とスピードアップを図れると言うことになります。ここで重要な技術が「仮想化」です。レンタカーもいわゆるリソースの共有になりますが、物理的な制約が強くクラウドコンピューティングほど効率化は実現できません。仮想化され、かつ、共有リソース(コンピュータ資源)が膨大なものであるからこそ、今までとは別次元の効率化が実現できるのです。
4) スピーディな拡張性
(1)と関連していますが、システムの拡張や縮小をスピーディ(即時)に実施できること。
ウェブから注文手続きをしても、使えるのが1ヶ月後ではクラウドではありません。
物理的な制約がない(もしくは、非常に少ない)クラウドだからこそスピーディな拡張性が実現できるのです。
5) 計測可能なサービス
サービスの利用量が計測可能で従量課金が可能であること。コンピュータを「所有」するのではなく、コンピューティング(サービス)を「利用」することが出来なければいけません。そのためには、コンピュータ資源を「客観的に」、「公平に」按分できなければ、共有することができません。
それでは、この5つの特徴を持つクラウドが、私たちのコンピュータ利用にどんな影響を与えるのでしょうか?このことの方が、クラウドを考える上で、より一層重要なポイントになります。
コンピュータは
- 「所有」するものから、「利用するもの」へ
- 「専有」するものから、「共有(Share)」するものへ
- 「物理的」な制約から解放され、「論理的」に扱えるものへ
- 「固定(Fixed)」されたものから、「変化(Change)」するものへ
になっていくのです。 *1
この変化をうまく使えば、「コスト低減」、「スピードアップ」、「運用コスト(人手)の削減」、「投資リスクの低減」が実現でき、今まで「できない」と思われていたことが「できて当たり前」になっていくのです。
ここで注意しなければいけないのは「うまく使えば」ということです。「うまく使う」ためには、使う側も変わらなければいけません。使う側が今の(常識の)ままだったら、クラウドもプラスの面よりもマイナスの面が多くなってしまうかもしれません。
クラウドを学び、うまく使いこなしていけるようにしていくこと、場合よっては今までの常識を覆してしまうような考え方が、今後ITを活用において、いや、今後(あらゆる)ビジネスにおいて非常に重要なことになっていくと確信しています。
*1 ひとつひとつの意味や、それがどう影響することになるかについては、今後、折に触れて言及していきたいと考えています。