クラウド革命 ~ 徒然なるままに ~(6)クラウドはなぜ革命的と呼ばれるのか?その3
N&Iシステムズ マーケティング担当の内藤です。
今回も前回・前々回に引き続き、クラウドはなぜ革命的と呼ばれるのか?について考えてみたいと思います。
第3の理由
第三の理由は、「ハイスピード化/自動化」です。
物理的な制約から解放され「設定=Software Define」で調達できる『論理的』なものになったため、サーバー(VM)の調達に「数週間~数ヶ月」かかるのが常識だったものが、「数分~数十分で調達」*1できるようになっています。
また、物理的なものがなくなったころにより、設定をコピー/プログラム化することにより、同じサーバー(VM)設定なら、簡単に自動化・省力化することができるようになりました。
IT業界では1990年代後半頃からドッグイヤー*2という言葉がよく使われ始めましたが、クラウド普及することでますますこのスピードが加速していくように感じます。
サーバーを準備するには、自動車を購入するときと同じようにメーカーの営業に在庫/納期を確認して数ヶ月かかってしまうのが常識だったのが、タクシーを止めるようにちゃちゃっと準備できてしまうものになったというのは、革命的な変化だと思います。
第4の理由
第四の理由は「インフラは変化し続けるもの」になったということです。
今まではコンピュータは導入したら基本的には変化しない、変化させてはいけないものでした。なぜなら、何か変える(例えば、パッチをあてる)とコンピュータが動かなくなってしまうかもしれませんから。
しかし、今はすべてがインターネットにより接続され、毎年毎年山のようなデータ侵害/漏洩事件が発生し、たくさんのセキュリティホールが報告される時代ですから、セキュリティパッチをはじめシステムは常に改善していくことが必要不可欠になっています。
特にクラウドで提供されるインフラ(H/W, OS, アプリーションなど)は自動的に常に最新バージョンになってしまうのです。
つまり、最初は多少不完全なシステムながらも、継続的に改善しながら使っていくという人たちにとっては(自動で更新していくインフラは)とても使いやすく有益なものでしょうが、従来のデファクトの考え方の「いったん完璧なシステムをつくって、それが壊れない(≒変わらない)ように維持していくという考え方の人たちにとっては、非常に迷惑千万なインフラと感じられると思います。
また、OSやミドルウェア、パッケージソフトの不備や不具合を一切許さず、OSやミドルウェアの改造をして完璧を期しているようなユーザーにとっては、インフラがバージョンアップするたびに肝を冷やすことになってしまうのではないでしょうか?
このように、システム構築、維持、改良というサイクルへの考え方が激変してしまうのは避けられないと思います。
まだまだ、たくさんの理由はあるのだとは思いますが、大きく四つの項目を上げさせていただきました。
「これが正解」というものはないと思いますので、これをお読みになっていただいた方々には、ぜひそれぞれの立場で考えていただけば幸いです。
次回は、クラウドがSE, PGといったITエンジニアにどのような影響を及ぼすのか?についてお話しようと考えております。
*1 もっとも、購入稟議が今までどおり2ヶ月とか3ヶ月かかるのであれば、クラウドによるメリットはでないと思われます。 IT部門だけではなく経営陣も含めて、この新しい常識に立ち向かわなければいけないと
*2 技術革新など変化の激しいことのたとえ。犬の寿命が人間と比べて短いことから、犬の1年は人間の数年分に相当するという言う意味。