必要とされるエンジニアとは
このIT業界の中で「技術者が枯渇している。」という話しは良く耳にする話しだ。
実際にお客様や協力会社からも「人が居ないので至急紹介して欲しい!」というリクエストを訪問する毎にうかがう。
しかしながら、毎日数十人の技術者の紹介メールが様々なルートで私の所には来ている。
何故こうした事が起きるのか?技術者に対し求人情報が行ってないのだろうか?いやそうではない。
単に「コミュニケーションが取れる技術者が少ない。」というのがこのIT業界の現状である。
では”コミュニケーションが取れる技術者”とはどういう事か?
システム構築でも保守・運用でもお客様やベンダー、協力会社との対話は業務を行う上で必須である。
現在の課題や問題点があってそれを今回どうしていくのか?どういう手順で行うのか?
何時までにやるのか?何を気をつけないと行けないのか?リカバリー対応策は?等を良くヒアリングして自分自身が把握して業務を行う必要がある。
しかしながらそれをスムーズに行える技術者は余り多くないのが現状である。
同様にシステム開発PJでも基盤更改PJでも課題や問題点が有って、それを改善して対応する事が求められる。
その過程において、何が問題なのか?をお客様からヒアリングしてそれを纏めていくといういわゆる上流工程を対応出来る技術者が余りに少ないと最近特に感じる。それ以前に何をやったら良いのかを理解しようとせずに、単にお客様からの指示を待ち続けたり、お客様の問題点や要望を聞く事もせず過去自分自身が行った手法で独自に推し進めるという人も少なくない。又、”纏める”すなわちドキュメントとして要件定義書や基本設計書を書けないいや、書いた事が無い技術者が非常に多いのが現状だ。
ウォーターウォール型で分業制で行っているプロジェクトが多い事が起因しているかもしれない。
ではどうしていけば良いのか?
プログラム開発のステップとして、
- 構想設計
- 要件定義
- 基本設計
- 方式設計
- 詳細設計
- 開発(プログラミング)
- 単体テスト
- 結合テスト
- 統合テスト(システムテスト)
- 仮本番
- 本番
- 運用設計
- システム保守
- システム運用
と概ね上記のステップが有る。SE価格としても上流になればなるほど単金も高くなっていくのがこの業界だ。
分業制で行っている為、ずっと結合テストばかりやっていたり、システム運用ばかりやっていて開発(基盤だと構築)や設計といった事をやった事が無い技術者は多い。
若い(30代)時代は良いかもしれないがベテラン(40代)になってもそういう業務しかやった事が無いとずっとワーカー(作業者)となってしまい体力が続かない事が想定される。お客様側もそうした事を考慮してワーカー的な業務は20,30代の若手限定という年齢縛り的な制限をかけてしまう為、やれる仕事がどんどん少なくなっていく。
となると結果的に単価が安く、求人の集まりにくい24時間365日対応の夜間・休日対応のシステム運用等の業務につかざるを得なくなってしまうのが実情だ。
従ってそうした将来的な事も考慮して、より上流の業務に積極的に取り組んでいく事が技術者には求められる。
又、IT企業側も上述の様な不幸な形態とならない様に技術者の教育・育成に力を入れて取り組んでいく事が重要だ。
特に40代になってから新たな技術を学んだり、設計書等のドキュメント作成を覚える事は「英語」を学ぶのと同様に難しい事だと思う。しかしながら今そういないとこの業界で渡り歩いていく事は困難であり、給与も上がらず、自分自身の選択肢も狭めてしまう事になってしまう。
今からでも遅くは無いので、意識を変えて新たな業務にチャレンジして行く事をやっていきましょう!