情報提供ネットワークシステムを活用する新しい制度とは
情報提供ネットワークシステムとは、情報を照会したい側と情報を提供する側が、情報をやり取りするためのシステムのことを言う。このシステムを活用するのが新しく始まる予定の「マイナンバー制度」だ。
マイナンバー制度とは
正式に決まったのは2013年5月で、内容は「個人や法人、団体等を番号によって識別する」もの。法律に基づいた形のため、提供者はシステムを通し紹介者に情報を提供しなくてはならない。情報提供ネットワークシステムが導入されることになった背景とは何だろうか?
- 行政手続きで必要な情報を素早くやりとりする
- 届け出や申請における手順を簡素化し、負担を軽くする
- 本人確認等を簡略化
この3つの理由により、全体的な利便性や迅速性の向上に大きく役立つと判断され、導入が決定した。
情報提供ネットワークシステムの働き
それでは、情報を照会する機関Aと情報を提供する機関Bを例に、情報提供ネットワークシステムの働きを見ていこう。
- 機関Aからは、情報提供ネットワークシステムに対し、照会に必要な個人情報と符号Aが送信される。機関A内部には該当する人物の情報(個人情報)と当該人物と識別できる個人番号が存在するが、プライバシー保護として個人番号は直接利用しないことが推奨されているので、個人番号を符号に変換し、送信する。
- 符号Aは、システム内部において機関Bで用いる符号Bに変換される。
- システムは、機関Bへ個人情報と符号Bを送信する。
- 機関Bは、送信された符号Bを用いて、該当する本人情報=個人情報を抽出し特定する。
- 特定された情報は機関Bから機関Aへと直接送信され、機関Aの照会手続きは完了する。
照会での回答処理において、誰の情報かを特定するため発行されるものが、識別情報や情報引き換え証と呼ばれるトークン。これは情報の提供を許可し、符号同士を紐付ける。例で言えば、符号Aと符号Bを紐付け、2つが同じ個人情報を所有している物であることを示し、機関B内での個人情報抽出に役立つ。
システムを利用する上での課題
大きな課題としてプライバシー保護が存在する。そのため個人番号と機関別本人識別符号の2種類は双方とも異なること、識別符号より住民票コードが推測不可であることの2つが求められている。
前者では、個人番号に対して符号を割り当てることで異なる仕組みとなり、後者においては、住民票コードから符号を起こす。これは個人番号と紐付いた情報が累積されることを防ぎ、住民票コードからの推測ができないように働くのだ。
まとめ
改めて情報提供ネットワークシステムで実行される内容を見ていこう。
- 個人情報及び符号の受信と送信
- 送信側に対応した符号への変換
- 情報と符号を対応させるためのトークン発行
これらの機能によってマイナンバー制における情報提供が便利になると見込まれ、導入が決定した。また、予想される便利な点としては、必要な情報が迅速に受け渡しされる・届け出や申請における手順や本人確認が簡略化・機関の負担が軽くなることの3つがある。これが、新しい制度・行政機関・申請者の3者に大きく役立つ情報提供ネットワークシステムなのだ。
参考:(※外部リンク)