仮想化とクラウドの関係性や例を知る
サーバ仮想化とクラウドは切っても切り離せない関係性を持つ。なぜなら、仮想化技術とクラウドは、共にサービス運営やシステム稼働の発展を促してきたからだ。では、具体的にどのような関係にあるのか、また、使用例やそのメリットは何か? それを見ていこう。
1. 仮想化技術とクラウドの関係
仮想化の推進理由は「ITリソースを効率よく使う」ことにある。
今までは、利用サーバの活用率は一定であり、移行時もハードウェアの選定や購入、設定とフローを複雑にたどるため、長い期間を要していた。これらはインフラエンジニアにとっては稼働や運営にかかる時間を削って行うなどの負担がかかるものであり、企業にとっても莫大なコストとなっていたのだ。
そんななか、仮想化によって、サーバの活用率の引き上げと容易な移行、加えて環境の差をなくしてのスムーズな実行環境が実現した。そして、すべてにおいて迅速に実行できるようになり、さらには余った時間やコストをサービスやシステムに割り当てられるようになった。
クラウドは、必要な機能やリソースを使いたいだけ使えるという特徴を持つため、ビジネスで利用するITインフラは柔軟なかたちをとれるようになり、また、さまざまな状況に対応する迅速性、自動化も進んだ。
こうして、クラウドは社内ユーザの要望に応えるかたちとなり、仮想化と共に利用され、ウェブサービスの発展に大きく尽力し始めることとなったのだ。
2. クラウドの使用例やメリット
サーバの仮想化技術が発展したものを「クラウド」と呼ぶ。その内容は下記の通り。
- 申し込みだけでサーバ利用が即時に可能。
- もし仮に物理サーバが1台故障しても、仮想サーバが継続稼働するため、サービスを止めることなく運営が可能。
- エラー時、仮想サーバによるサービス継続により、復旧の手間が減少する(以前は、物理サーバが停止すると全サービスがストップしたので、復旧に高いコストと長い時間を要した)。
- サービスを停止することなくサーバ追加や分割が自由にできるため、カスタマイズが簡単になった(例:処理能力を要する場合は分割数を削減して処理能力増加に努める/処理能力がそれほど必要でない際は、分割数を増加してコスト削減に努める)。
これによって、インフラエンジニアの負担が軽減し、さらにはサービスやシステムの運営や稼働の効率化が進んでいる。
まとめ
仮想化とクラウドの双方によって、ITリソースは大きく進化した。仮想化による「サーバ活用率の引き上げや環境差異の減少、容易な移行」。クラウドによる「サーバ利用が即時可、追加・分割が自由自在、エラー時の復旧が容易である」こと。この2つは、サービス運営・システム稼働のさらなる活用を可能にし、やがては新サービスやシステムの開発も実現することだろう。
参考:
サーバー仮想化からプライベートクラウドへ
https://www.impressrd.jp/idc/story/2011/08/22/1843
仮想化とクラウド、これまでの動向と今後
http://wktm.jp/archives/1873