VMwareの機能EVC(Enhanced vMotion Compatibility)について
みなさん、こんにちはN&I技術部のSKYです。
残暑もようやく落ち着き過ごしやすくなりましたが、皆様もお変わりなくお過ごしでしょうか。
現在、弊社ではWindows 2003のサポート終了まで1年を切りWindows2003のリプレイス案件が増えております。
仮想化環境をすでに構築されているお客様は、既存のWindows2003サーバをリプレイスする機会に、仮想環境で統合しようと考えていらっしゃるかもしれません。
仮想環境では仮想ゲストを簡単に追加でき動作してしまう為、いつの間にかリソースが一杯になってしまうこともあります。
そこで、現在運用中の仮想環境(VMwareのvMotionやHA、DRS)でハードウェアを追加する方法をお伝えします。
VMwareが提供しているvMotionやHA、DRSなどといった便利な機能は、実現する大前提として同じCPUが必要というのがあります。
ハードウェアを追加すると前に運用していたCPUは世代が変わり最新になってしまいます。(同じCPUが用意できれば問題ありませんが・・・)
その場合、通常ではvMotionやHA、DRSは動作できません。
そこで必要となってくるのがEVC(Enhanced vMotion Compatibility)という機能を使用します。
(最新CPUを前の古いCPUにパフォーマンスを合わせてしまおうとする技術となります)
この技術を使うことにより世代の違うCPU同士でもvMotionやHA、DRSを動かせます。
EVCモードなしのイメージ図
EVCモード有効のイメージ図
EVCを利用するには下記制約があります。
- Intel or AMDどちらか一方のCPUで統一
- ホストがvCenterServerで管理されている
- ESX3.5Update2移行を実行していること
- ハードウェア仮想化(AMD-V or IntelVT)対応のCPU
- 実行無効化テクノロジ(AMD No eXecute(NX)またはIntel eXecute Disable(XD)対応CPU
- VMware公開のCPUベースラインに該当
上記制約が満たされていればvMotionやHA、DRSなど可能となり便利になりますがデメリットも存在します。
【デメリット】
- 古いアーキテクトに合わせるため最新のCPU機能が使用できない。
- 運用途中でEVCを有効化するとWindowsOSのライセンス認証が発生する可能性が高くなります。
(EVCによりマスクされたvCPUで起動することにより別ハードウェアとしてWindowsが認識しライセンス認証が発生する可能性もございます)
個人的にはvMotionやHA、DRSで使用しなければ、最新CPUで使用した方がいいかもしれませんがvMotionやHA、DRSで使用する場合にEVCはお勧めとも考えられます。
ということで今回は、VMwareの機能をご紹介致しました。
これからの季節、朝夕冷え込んでまいりますのでお身体にお気をつけください。